この美しき街々

この美しき街々

What a Wonderful Cities In The World !

統一感のある歴史的建造物が、スカイラインを保ちながら美しく並び、街路樹や街灯が更にバランスを整える。
どこを切り取っても絵になり、散策すれば、気持ちをワクワクさせてくれる。
なぜ、ヨーロッパの都市はかくも美しいのだろうか?

美しい都市

 世界有数の経済誌『フォーブス』が美しい都市のランキングを発表して話題となることがある。もちろん、美しいという基準は様々で、ベトナムの田園風景に広がる街並やハワイを一番に挙げる人もいるだろう。同誌のランキングは、都市の見た目の美しさだけでなく、その都市の持つ歴史・象徴性・ 都市計画・建築物・発展の持続性など、各方面の専門家の様々な調査・評価を考慮して選出されるのだ。
 米国なら、サンフランシスコ・シカゴ、ニューヨーク、カナダはバンクーバー。オーストラリアのシドニーなども挙げられるが、やはりヨーロッパの街の名前が多く挙がる。フランスのパリ、イタリアのミラノ・ヴェネツィア・ローマ、英国のロンドン・ケンブリッジ、スペインのバルセロナ、デンマークのコペンハーゲン…。
 パリと言えば、道幅が広く、街路樹の並ぶ大通りとストリートライフ、グラン・パレなどの有名な建造物、そして英国建築とは対照的な個性と、エキセントリシティ(奇抜さ)で刺激的な建造物を思い浮かべる人は多いだろう。パリの美的本質は、建物の外観を統一した19世紀の「オスマン計画」に大きな影響を受けている。一方、ロンドンはその対極の「美しいパッチワークキルト」のようなものだと言える。100年にわたって発展してきたロンドンは、統一された建築様式は無く多種多様であり、それこそが魅力になっているのである。

美しさのわけ

 ヨーロッパの街が美しい理由を3つ挙げるとすれば、一つ目は、景観の整備方針を示す法令や景観規制を行う都市計画の存在。イタリアの「ガラッソ法」やイギリスの「ディベロップメント・プラン」、フランスの「風景法」、等だ。これらにより一定の高さ以上の建物が建てられなくなり、スカイラインや色彩・テクスチャの統一、土地利用規制など、計画的な統一性とバランスが実現する。特にヨーロッパでは、景観の問題は行政が責任を持って取り組むべきとの共通認識があり、積極的姿勢で都市内外の整備を行っている。
 2つ目は、市民の意思とも言うべきものだ。美的なものへの関心が高いイギリス人は、家の前でガーデニングを行うことで、街自体の美しさを演出する事を怠らない。また、スペインにおいて80年代にスタートした、「バルセロナ・モデル」といわれる都市再生を支えたのは、市民の、街への誇りや関心の高さだった。
 3つ目は、各時代の美の表現だ。イタリアの丘の上の昔ながらの小都市や、ローマの噴水や広場、パリのパサージュや、アールヌーボーの建築物などは計画的なものではない。長い時を積み重ねた歴史がそれらの美しさを実現しているのだ。
 これら意識的・無意識的に作られてきた都市の美を、「歴史性」「自然さ」などをキーワードに見つめ直すことで、市民が住み、参加していくべき「美しい街」のあり方が見えてくるのではないか。

Paris(パリ)

フランス北部、セーヌ川を挟んで建設された首都パリ。総人口は約217万人。面積は首都圏の山手線の内側の面積とほぼ同じ。ヨーロッパでも有数の巨大な国際都市。芸術の都・文化の中心・流行の発信地として、多くの顔を持ち、時に世界で最も美しい都市と言われる。文化・芸術・ファッション・食べ物・デザインなど様々な分野で、長い歴史が作り上げた「最高峰」を実感できる街だ。

Stockholm(ストックホルム)

14の島々が橋で結ばれた、水の上に浮かんでいるような美しい街。北欧最大の都市であり、スウェーデンの首都。人口約81万人、総面積200㎢余り。発祥の地である小さな島・ガムラスタン地区では、歴史ある古都の趣が感じられる。大都市という顔を持ちながら、街の四方は水と緑地に囲まれ、自然の恩恵と、歴史の伝統と、新しい技術やモダンなデザインが自在に交じり合う魅力的な街だ。


Milano(ミラノ)

人口約130万人。ローマに次ぐイタリア第二の都市であり、イタリア経済の中心地。「ミラノサローネ」や、「ミラノコレクション」等が開催される、世界的なデザインやファッションの発信地でもある。

London(ロンドン)
イギリスの首都。人口約750万人・総面積約1577㎢。世界四大都市に位置づけられる、世界の政治・経済・文化の中心地のひとつ。地震が少ない街並みからは、補修を続けながら数百年にわたって刻まれた歴史が感じられる。

Venezia(ヴェネツィア)

イタリア北東部、半島付け根にあるアドリア海に面した都市。人口約27万人。170以上の島が寄せ木細工のように集まり、150以上の運河が縦横無尽に走る「水の都」。中央部の逆S字形をした「大運河(カナル・グランデ)」は、島内の重要な交通路となっている。水とともに生き続けるこの街は、独特の輝きで世界の人々を魅了する。

Dubrovnik(ドゥブロヴニク)

クロアチア最南端に位置し、青い海に突き出したオレンジ色の屋根と白壁の家が太陽に映える、美しい中世の城塞都市。「アドリア海の真珠」とも呼ばれ、世界遺産に登録されている。丹精に築かれた厚い城壁に囲まれ、地中海性気候の中で育つ植物が、ルネサンス様式の公園や中世の石造邸宅や静かな修道院の庭に咲き乱れている。

Amalfi(アマルフィ)

イタリア南部、地中海に面し切り立った断崖と海が入り組み、世界遺産に登録されている「世界一美しい海岸」アマルフィ。海岸最大の都市アマルフィは港中心に広がり、階段だらけの歩道が迷路のように張り巡らされる。ランドマークはドゥオーモ(大聖堂)。中世の面影を残す特異の文化と美しい景観から、高級リゾートとして愛される。

Barcelona(バルセロナ)

スペイン第2の都市で、地中海に面してイベリア半島の北東に位置し、人口約160万人、面積100.4㎢。17の自治州の一つ、カタルーニャの州都でもある。スペインでも特に独自性が強い地方であり、芸術活動が盛んだ。